青山学院女子短期大学同窓会

Aoyama Gakuin Women's Junior College Alumni Association

国文学科会文学講座 【「推し」から広がる世界】 輪島達郎先生よりメッセージ

 

2025年10月11日(土)13:30~15:30 スクーンメーカー記念館(旧女子短期大学図書館)2階セミナールーム

「船越義彰と沖縄アイデンティティ」

 

講師:輪島達郎(わじまたつろう)先生 青山学院女子短期大学現代教養学科准教授を経て、青山学院大学コミュニティ人間科学部准教授。専門は琉球・沖縄の歴史と文化 からのメッセージ

 

 船越義彰(ふなこし ぎしょう・1925~2007)は、戦後沖縄を代表する作家の一人です。二十歳のときに沖縄戦を命からがら逃げ延び、戦後は琉球政府に勤務しながら詩、小説、劇作、評論と多彩な作家活動を行いました。代表作に『琉球時代小説・北谷王子』(1973~78年)、『きじむなあ物語』(1981年)、『史劇・謝名原の乱』(1990年)、『戦争・辻・若者たち』(2003年)などがあります。いずれも自身のきびしい沖縄戦経験と対峙しながら、詩情と人間愛にあふれた魅力的な作品群です。

 

 『カクテル・パーティー』の大城立裕、『豚の報い』の又吉栄喜、『水滴』の目取真俊など、沖縄文学といえば沖縄戦や米軍基地問題を背景に、日本やアメリカによる暴力と植民地支配を告発し、問題化する作品が想起されるでしょう。しかし船越義彰は違います。沖縄戦によって心身が大きく傷つきながらも、また沖縄が「日本化」し「アメリカ化」することを憂慮しながらも、またその非政治的態度が「私小説的・逃避的」と批判されようとも、なお沖縄の文化と人々の力を信じ、その根源にある「沖縄らしさ」を生涯を通じて問い直そうとした作家でした。

 

 本講座では船越の主要な作品を紹介しつつ、船越が求めてやまなかった「沖縄らしさ」とはどのようなものか、という問いを軸として、県外での知名度が今ひとつであるこの優れた作家を強く推していきたいと思います。

 

単回募集はメールで受付します。(募集人数5名 先着順)

申込方法:件名を「文学講座10/11単回参加希望」とし、

①住所②氏名③携帯番号④和暦卒年⑤学科を明記の上、前日までにお申し込みください。

アドレス:agwjc.kokubun@gmail.com

折り返し同アドレスよりご返事をいたします。

参加費:2000円(当日受付でお支払いとなります)