地球の過ごし方特別編【北海道座談会】
2025年08月03日
特定の地域に所縁のある方々を招き、様々な視点から魅力を語ってもらう新企画が始動!長崎、長野、千葉に続く第4弾は、独自の進化を続ける唯一無二のパラダイス北海道です。故郷を愛し、誇る者同士が顔を合わせた時に初めて生まれる、果てしなくガチでとことんディープな情報を「地球の過ごし方/北海道特別編」として、自信を持ってお届けします。
【参加者】
山田和哉
1期生で2019年卒です。生まれも育ちも千歳市で、18歳まで過ごしました。大学進学で上京し、青山学院大学に在学していたのですが、途中から「建築を学びたい」という思いが強くなり、大学院はアメリカのワシントン大学セントルイス校に進学しました。大学院を卒業後、ニューヨークで就職して、今4年目になります。
吉田凜華
現在大学4年で2026年卒です。18歳まで札幌市で育ち、大学進学を機に上京しました。父の仕事の都合で、苫小牧や3年ほど三重県に住んでいたこともあります。
【北海道への愛はでっかいどう!】
本日は遠路遥々お越しいただきありがとうございます。北海道を語り尽くしましょう!最初のテーマは「ここが好きだよ北海道」です。溢れる魅力を教えてください。
吉田
食べ物が安くて美味しいところが大好きです。東京価格ではないので、飲み放題2、3時間でも900円とかで飲めます。居酒屋のメニューもいちいち「北海道産」って書かなくても全部北海道産で、美味しくてお手軽に楽しめるところが最高です。
1番おすすめの“北海道産”はありますか?名産品と言ったらちょっと構えるので、シンプルに北海道で1番好きな食べ物で大丈夫です!
吉田
私、実はお刺身、海鮮が苦手で。
山田
え?そこ語れないのきついね(笑)。
吉田
「全然札幌出身じゃないじゃん!」って言われるんですけど、ラーメンは好きですね。味噌バターコーンのラーメンはすごい好きです。
【季節は巡る魔法のように】
山田さんは北海道のどんな部分に魅力を感じますか?
山田
好きなところ、そうですね…食の魅力は言うまでもないので、それ以外で挙げるなら四季の美しさですね。1年のうち冬が占める割合は長いですが、その分、四季の移ろいがはっきりしていて、自然も本当に豊かです。その色彩の鮮やかさが北海道の魅力だと思いますし、それを目当てに多くの方が観光に来てくれます。
やっぱり冬が好きですか?そんなこともない?
山田
いや、冬は嫌いです(笑)。寒くて。
夏はどうですか?
吉田
暑いですよね?さらっとはしてるんですけど。30度近くいきます?
山田
うんうん、最近暑いよね。
吉田
でも北海道は湿度がないんです。さらっとしています。
山田
寒暖差が大きいよね。夜はぐっと冷え込むので上着が必要。あと、学校にはクーラーがなくて、暖房用のヒーターだけなんです。それでも夏は問題なく過ごせますね。
【スケート?orスキー?】
かなり地域性があると思います。山田さんが生まれ育った地域は、雪は結構降りますか?
山田
僕のいた千歳は雪が少ない方ですね。千歳や苫小牧は積雪量が少ないんです。地域によって全く違っていて、例えば十勝地方だと、ほとんど雪が降らない場所もあります。体育の授業がスケートの地域とスキーの地域に分かれるのも、北海道ならではでユニークなところかな。吉田さんの地元の札幌は盆地で雪が多いし、山も近いので、授業はスキーですよね?
吉田
そうなんです。でも苫小牧にいた幼稚園の時はスケートだったんですよ。なので、苫小牧から三重に行って札幌に行ったら、「あれ?スケートじゃないの!?」ってなって、スキーを1から勉強し直しました。元々スケートで育ったんですけど、札幌での授業はスキーでした。
山田
雪が少なかったり、近くに山がなかったりするエリアはスケートが主流なんだと思います。千歳や苫小牧もスケートでした。一方で札幌のように山が近く、千歳などと比べるとそこまで気温が下がらない地域ではスキー、というように地域性で分かれているのは肌で感じてましたね。
僕からしたら、体育でスキー、スケートがあるのがまずびっくりです。
山田
それが当たり前だと思って育ってるから(笑)。
他の魅力はどうでしょうか?やっぱり食べ物ですかね。
山田
食べ物の話をすると、本当にきりがないですね。海鮮、ジンギスカン、スープカレーなど、挙げればいくらでも出てきます。漁業、農業、酪農といった1次産業が全て盛んなので、何を食べても美味しいんです。素材そのものが圧倒的に美味しいから、どんな料理にしても美味しくなる。それが北海道の食の魅力かもしれません。
【やき弁、シメパフェ…道産子ホットワード】
今回の座談会にあたり色々調べてきたので、ここから少しぶつけていきたいと思います。まず、やきそば弁当が北海道ではめちゃくちゃ有名だと聞いたのですが、やはり根強い人気を誇りますか?
吉田
道民は「やき弁」って呼んでます。みんな、やき弁を食べて育つので、多分ペヤングを食べたことがない人もいると思います。私は大学までペヤングを食べたことがなかったです。
山田
「ペヤングって何?」という感じで。なんなら「なんか響きが悪いな」とまで思っていました(笑)。
吉田
逆に関東で、「やき弁ないの?」って。
山田
そうそう。あのスープが付いているのがやっぱ良いですよね。
吉田
美味しいです。
食事の締めでパフェを食べる「シメパフェ」の文化は本当にあるのでしょうか?
山田
結構最近ですよね?
吉田
最近ですね。「夜パフェ」が若干札幌で流行り出したんです。夜にちょっとおしゃれで、ちょっとお高いパフェを締めに食べるみたいなのが本当に最近流行り出しました。私が高校生の時とかは全然なかったです。
【札幌!旭川!函館!道内に“県”多数】
やはり文化や流行は札幌から広がっていくケースが多いんですかね。そもそも北海道の序列と言いますか、勢力図はどうなっているんでしょうか?
山田
吉田さんはどう感じますか?札幌に住んでいると、やっぱり「札幌1強」という感覚はありますか?
吉田
どうでしょう…あんまり札幌市内にいて序列を感じたことはないですけど…祖母の家がある滝川や倶知安の方面に行くと、「ここでどうやって生活するんだろう?」みたいに思う感覚はあります。あと、札幌を出ると駅がめちゃくちゃ遠いので。
〈ペンギンの散歩で有名な旭山動物などがある旭川。圧巻の雪像が楽しめる冬まつりも毎年大勢の観光客で賑わいます〉
〈函館観光の際は是非とも訪れたい五稜郭。2024年は名探偵コナンの映画の舞台となり、コナンフィーバーに沸きました〉
人口的に言っても1番手が札幌で、では2番手の位置付けはどこになりますか?
山田
2番手は函館?いや旭川か。3番手が函館かな。そこが3強。その後に苫小牧、釧路、帯広辺りが続く感じかな?
北海道は全国的に有名な都市が数多くありますよね。どこもそれぞれの魅力があって、名前が通っていますよね。
山田
そうなんです。なので、道民としてはあまり「序列」という感覚はなくて、それぞれの街に独自の良さがあると思っています。例えば九州に複数の県があるように、広大な北海道では、それぞれの市がある種「県」のような立ち位置なんです。市同士で競い合うというより、「それぞれが独立した魅力を持っている」という感覚に近いかもしれません。
吉田
本当におっしゃる通りですね。
〈道民の心の拠り所セイコーマート〉
【セコマ、ホットシェフ、カツゲン…道産子ホットワード】
あとはセイコーマート、通称「セコマ」も外せないですよね。
吉田
セコマ↑です。セコマ↑
山田
一瞬何のことかと思った(笑)。イントネーション大事!
おっとっと(笑)…セコマ↑は道民にとってどんな存在ですか?
吉田
1番好きなコンビニですね。
山田
模範回答(笑)。分かる、分かる。ホットシェフね。
〈セコマと言えばホットシェフ!中でもカツ丼は超絶品です〉
〈1956年から発売以来、道産子に飲み継がれている乳酸菌飲料、ソフトカツゲンも外せません。長く長く愛されるのが納得の飲みごたえです〉
吉田
そうです!そうです!ホットシェフっていう、ホットスナックが売ってるお料理コーナーがあるんですけど、そこのカツ丼が本当に美味しくて!あとは北海道限定のソフトカツゲン、北海道の素材を使用したスイーツやお惣菜もたくさんあります。全部安くて本当に美味しいです。
山田
しかも安い!本当に最高です。
なんでも北海道の人は冬でもよくアイスを食べるとか。これは本当ですか?
山田
冬の方が食べるよね?
吉田
多分、関東よりもお家の作りが暖かくて。冬でもお家がすごく暖かいので、半袖短パンです。
山田
多分どの家庭もそう(笑)。
〈中南部・石狩平野の南端に位置する人口約9万7千人の街、千歳。新千歳空港があり、北海道の玄関口とも言えます〉
もう1つ、どうしても聞いておきたかったのが、北海道出身を意味する「道産子」というフレーズについてです。元々は北海道産の馬を指す言葉で、あまり良く思っていない人もいるらしいのですが、2人は道産子という呼び方をどう捉えていますか?
山田
個人的には、特に悪い印象はないですね。ただ、そもそも北海道にいる時は、自分達のことを「道産子」とはあまり言わないんです。道外に出てきて、自己紹介の時に「道産子です」と言うことがあるというくらいですね。嫌な気持ちはないよね?
吉田
それは全然ないです。道内にいる時は道産子って言わなくて、自己紹介の時に「北海道出身なんです」って言ったら、「あっ道産子ね」って言われるので、「そうそうそう」って返す程度です。特にそこに劣等感みたいなものは感じてないです。
【マイ・ベスト・ショット・オブ北海道】
道内で撮った、とっておきの写真を紹介してください!
山田
これは僕が世界1位だと思ってるソフトクリームです。地元千歳にある「よんちょ~めソフト」というお店のもので、夏季限定でしか開いてないんです。言葉で表現するのが難しいくらい美味しいんですよ。濃厚というよりはさっぱり系なんですが、でも深みがあって、実は濃厚…自分でも矛盾しているのは分かっているんですが(笑)、それくらい言葉にするのが難しい美味しさです。毎年、これを食べるのを楽しみに夏を迎えていました。
千歳市民はみんな知っている店です。結構種類があって…ハスカップって分かる?
分からないです。
吉田
ハスカップは北海道のフルーツです。
山田
結構酸っぱいからジャムにすることが多くて、そのジャムがかかったソフトクリームとかもあって、これがまた最高なんですよ。
〈北海道に古くから自生している希少な特産果実ハスカップ。アイヌ語の「ハシカプ(=枝の上にたくさんなるもの)」が名前の由来です。7月頃になると2つ1組で実らせます。土産品などでも「ハスカップ味」がよく採用されています〉
吉田さんのベストショットは?
吉田
林ゼミのみんなで、札幌にジンギスカンを食べに行った時の写真です。みんな初めての雪景色だったみたいです。札幌ビール園でクラシックのビールとジンギスカンを堪能しました。北海道民ってあんまりジンギスカンを外で食べないですよね?私は結構お家で食べるイメージです。
山田
そうそう。僕も全く同じイメージです。ジンギスカンは外で食べるというより、家で食べるものという感じですね。
〈北海道のソウルフード、ジンギスカン。道内に有名店がいっぱいありますが、家庭内でも多く消費されています〉
〈研修中に誕生日を迎え、林ゼミのみんなにお祝いしてもらいました(吉田)〉
このゼミの研修で、他の場所は行きましたか?
吉田
基本、札幌しか行ってないんですよね。茨城県の大洗からフェリーで室蘭に行って、室蘭からバスを乗り継いで札幌に行きました。札駅からみんなで歩いてホテルに向かってみたいな流れでした。2日目は自由だったので、それぞれ小樽に行ったり、トリトンを食べに行ったりしていました。トリトンは回転寿司の店です。安くて美味しいので、道内でもすごい人気で行列になっています。
〈運河クルーズなどが楽しめる小樽。歴史とロマンが詰まってまり、ノスタルジー溢れる街並みがたまりません〉
〈JR札幌駅周辺。南口にそびえる地上38階建てのJRタワーからは北に広がる夢が見渡せます〉
ちょっと気になったんですけど、地元民は札幌駅を札駅って呼ぶんですか?名古屋駅を名駅って言うみたいな。
吉田
札駅ですね。JRの札幌駅と地下鉄の札幌駅があるんですけど、JRの方を札駅って言うんですよ。
【北海道に来たら1回どう?】
1番のおすすめスポットを教えてください!有名無名は問いません。例えば、友達が北海道を訪ねてきたら、是非連れて行きたい場所です。
吉田
すすきののブラックニッカのところですかね。ザ・札幌を味わえます。準備しなくても、すすきのを歩いていれば美味しいお店がすぐ見つかるので、景色を楽しみながら美味しいお店を探せます。
山田
ニッカのところは、大阪で言うグリコみたいな感じですよね。
吉田
大通からすすきのまで歩けますし、なんなら札駅からも歩けます。その通りを歩いていけば、テレビ塔も時計台もすすきのも行けます。
〈さっぽろテレビ塔や時計台は札駅から徒歩圏内の上、近場にまとまっており、非常に観光しやすいです〉
山田
札幌の街は碁盤の目状になっているので、とても分かりやすいんです。大通やすすきの、札幌駅がまっすぐ繋がっていますし、地下歩行空間もあるので、雪が降る冬でも天候を気にせず暖かい地下を歩いて移動できます。そういった意味で、札幌はすごく人に優しい、フレンドリーな街だと思います。
山田さんイチオシの場所はどこですか?
山田
僕だったら帯広・十勝エリアに友達を連れて行きますね。僕の地元の千歳からだと、札幌は北西方向ですが、帯広は車を東へ走らせたところにあります。札幌からだと少し距離がありますが、千歳からなら2時間ほどで着けるんです。
帯広の魅力は、なんと言っても食ですね。美味しいお店が本当にたくさんあります。名物の豚丼はもちろん、例えば「ウエモンズハート」という絶品のジェラート店や、「高橋まんじゅう屋」という地元で愛されるすごく美味しいおやき屋さんがあって、僕の中ではもうゴールデンルートが確立されています。ベーグル→おやき→ジェラートみたいな食い倒れルートを巡れば、お腹も心も大満足の旅ができます。
【ライバルは〇〇県】
ライバルだと思っている県、少なからず意識している県を教えてください!一斉にオープン!
山田
やはり沖縄でしょうか。観光が一大産業として確立している点で、ライバルというか、意識する存在ですね。敵対心というわけではなく、日本の北と南の端で、それぞれが独自のブランドを確立していて、島として本土から離れている。その対比が、僕にはライバル関係のように映ります。
あとは都市単位で言うと、札幌のライバルは福岡かなと思います。
吉田
私も福岡と迷いました。
山田
街の規模感とか、食の魅力といった点で、札幌と福岡はよく比較されますし、良いライバル関係にあるように感じます。
吉田さんの答えは「なし」ですね。
吉田
今まで結構色んな県に行ってきたんですけど、やっぱり私は1番北海道が好きです。上京したからこそ、北海道にいた時よりもいない時の方が魅力にすごく気付けます。留学にも行きましたけど、北海道の方が美味しいし、優しいので、北海道が1番だと思っています。
福岡と迷ったとのことですが、ちらっとよぎった感じですか?
吉田
ご飯が美味しいので福岡かなと思ったんですけど、私はあんまりモツが好きじゃないので(笑)。
【ご当地スポーツチーム事情】
〈現在はメジャーリーグで活躍するダルビッシュ有選手や大谷翔平選手ら、数多のスターを輩出している北海道日本ハムファイターズ。2023年に本拠地を札幌ドームからエスコンフィールドに移しました〉
北海道日本ハムファイターズ(野球)、北海道コンサドーレ札幌(サッカー)、レバンガ北海道(バスケ)など道内にスポーツチームがいっぱいありますよね。盛り上がりというか、人気順で言うとどんな感じでしょうか?
山田
やっぱり1番は日ハムじゃないですかね。ダルビッシュ有や大谷翔平といったスター選手を多く輩出しているので。
日本ハムの新しい本拠地エスコンフィールドは行きましたか?
吉田
まだ行けてないです。
山田
僕は行きましたよ。最高でした!開閉式の屋根もユニークで、1回の開閉は約3万円でできると聞きました。球場全体の雰囲気も、どこかアメリカのボールパークのようで格好良かったです。
〈エスコンフィールドに最も近い、北広島駅。徒歩だと20分かかり、やや遠く感じます〉
駅からのアクセスにやや難ありですよね。
山田
そうですね、アクセスは今後の課題かもしれません。ただ、新駅の計画があって、周辺には大学なども誘致されるそうですね。前に行った時は北広島駅からシャトルバスが出てたけど、めちゃめちゃ混んでたな(笑)。
吉田さんは日本ハムの試合を観に行ったことはありますか?
吉田
小学生の時に父の招待チケットで、その当時のホームだった札幌ドームに行ったことがあります。稲葉選手の引退試合でした。その時に確か日ハムが勝って、選手が周りに来てくれて、大谷選手とハイタッチをしたのが私の唯一の自慢です。
レバンガは私が小学生の時に選手が来てくれて、バスケを教えてくれるみたいな授業がありました。
〈日ハムが移転したなか、今も札幌ドームをホームにしている北海道コンサドーレ札幌。元日本代表の岩政大樹監督の下、J1復帰を目指しています〉
コンサドーレはどうですか?
山田
コンサドーレは逆から読むと道産子になるってことぐらいしか知らない(笑)。あんまりサッカーを見ないから。
吉田
試合を見たことはないんですけど、練習場がある白い恋人パークは身近な存在でした。通学で最寄駅の宮の沢駅を使っていたので、ポスターとかをよく目にしていました。
【声に出して読みたい北海道弁】
方言はどうですか。先ほどセコマのイントネーションをレクチャーする一幕がありましたが、逆に友達から「イントネーションが違うよ」って言われたりしますか?北海道弁で有名なフレーズだと「なまら」ですかね。
吉田
「なまら」は言わないです(笑)。
山田
「なまら」はふざけて使うくらいですね。僕が自然に使ってしまう方言だと、「雪をほろう」という言葉があります。「雪をはらう」という意味なんですが、上京するまでずっと標準語だと思っていました。そうやって、実は方言だったという言葉が結構ありますね。
吉田さん的にはどうですか?
吉田
「私、訛ってた?」ってなることがよくあって、大学でこっちに出てきて気付きました。関東の人は「コー→ヒー→」って言うんですけど、北海道の人は「コー↓ヒー↓」なんですよね。あとは「ほくろ→」とかも「ほくろ↓」なんですよね。
〈酪農が盛んなだけあり、乳製品の種類は非常に豊富です〉
山田
「幼稚↓園」とかもね。「幼稚園→」じゃないんだよね。あれ?「幼稚園→」か。どっちだ?どっちが正解か分からなくなる(笑)。こうして分からなくなってしまうのも「北海道あるある」かも(笑)。関西弁の「~やねん」とか博多弁の「~ばい」みたいに、語尾に特徴があるような可愛げはないんですよ。だから東京で「北海道出身でしょ、方言で喋ってみて」とリクエストされても「いや、何にも面白いのは出ないよ」ってなってしまいます(笑)。
【輝く!道民スター栄誉賞】
道民のNo.1スターを決めましょう。1位を決めるにあたって、それぞれ候補を挙げてください。もちろん「俺!」「私!」でもいいですよ。
山田
うーん、色々な方がいますよね…。
吉田
大泉洋さんですかね。タカアンドトシとかもちょっと思ったんですけど、やっぱり大泉さん。
道内での大泉洋人気は抜群ですか?
吉田
そんなこともないですけど(笑)。
山田
当たり前に出てるぐらいの感じかもしれない。「水曜どうでしょう」はめちゃめちゃ有名で面白いです。
僕個人としてはGLAYを挙げたいですね。函館が生んだ大スターです。世代的には少し上かもしれないけど、北海道で知らない人はいないと思います。あとは、やっぱりタカトシ。やき弁のCMにも出ていますし、道民にはお馴染みです。平成ノブシコブシの吉村さんやバービーさんも北海道出身ですよね。
では1位を決めますか!
山田
じゃあ、大泉洋さんでいきましょうか(笑)。やはり「北海道といえば」という存在ですし、「上の世代だけでなく、若い世代も含めて全道民に知られている」という点で、まさにNo.1スターだと思います。
〈パート3まで作られている大泉洋さん主演の人気シリーズ「探偵はBARにいる」。2017年2月10日~3月10日まで札幌でロケが行われ、秋元克広市長が撮影に参加しました。(C)札幌市〉
すすきのが舞台の名作、「探偵はBARにいる」の主演も務めていますしね。
吉田
母がその作品のエキストラで北川景子さんに会ったって言ってました!
おっ!シリーズ3作目ですね。羨ましいなあ。素敵なエピソードをありがとうございます。ラストスパートとして、北海道あるあるをもう少し掘り下げたいです。他に「北海道ならではだな」って思うものはありますか?
【北海道あるあるもうちょい言いたいよ】
山田
ごみ捨て場のこと、なんて言いますか?北海道では「ごみステーション」って言うんですよ。
聞いたことがあります。「ごみは投げるもの」なんですよね。
以前、山梨出身のいとこが遊びに来た時、車の中で「このごみ投げといて」って頼んだら、本当に窓から外にポイっと捨てようとして(笑)。慌てて止めたエピソードがあります。
〈北海道のごみ捨て事情は他県と少々異なります〉
ごみステーションは吉田さん的にも納得のあるあるですか?
吉田
はい。三重に引っ越した時に、誰もごみステーションなんて言ってなくて、びっくりしました(笑)。
山田
それと北海道ならではか分からないけど…上京したての頃、チーム分けをする時に「グーとパーで分かれよう」と言われて、意味が分からなかったんです。北海道では「グーとチー(チョキ)」で分かれるんですよ。
吉田
私も「グッチー」でした。
山田
「グッチー」ね。これが東京で全く通じなかったのは、本当にショックでした。普通にチョキを出したら「ふざけるな」と怒られて(笑)。これは北海道大学に通っていた友人の話ですが、北大は学生の7割が道外出身者なので、多数派の「グーとパー」が主流になりかけたそうなんです。でも地元の友人は「『郷に入っては郷に従えだ』と主張して、周りに『グーとチー』を徹底させた」と笑っていました。
〈旧帝大の1つに数えられる名門、北海道大学。札駅から徒歩7分でアクセスもピカイチです〉
〈どん兵衛にも北の味を追究した限定品が存在します。違いを楽しむのも一興です〉
吉田
あと、またご飯の話になって申し訳ないんですけど、味付けがちょっと甘めです。赤飯は小豆じゃなくて甘納豆なんですよね。それに赤いきつねと緑のたぬきは、北海道は味が違うんですよ。
山田
え?知らなかった。
吉田
あんまり大々的には言われてないらしいんですけど、北海道の赤いきつねは甘めに作られています。あと私が作ったご飯を関東の子が食べると「甘い」って言うんです。
山田
道民にしてみれば、赤飯といえばもう甘納豆のもの以外は考えられないですね。
吉田
分かります!私も甘納豆が好きです。
〈さっぽろ羊ヶ丘展望台で世界中の人々を出迎えている北海道開拓の父、クラーク博士。Be ambitiousな生き様が人々の心を燃やします〉
【道産子よ、大志を抱け】
北海道愛がびしびし伝わるトークをありがとうございました!なまら有意義な会になりました。最後に、誇るべき故郷のさらなる発展に向け、熱いメッセージをお願いします!
吉田
なんと言っても自然が豊かなので、やっぱりこの自然は保持してほしいです。観光客がたくさん来て、冬の時期とかは札幌がごった返すんですけど、人の温かさや、地元にしかない自然の豊かさを皆さんにもっと感じていただければと思います。
山田
少し熱く語らせてください。僕は「北海道は世界でもトップクラスになれるポテンシャルを秘めている」とずっと思っています。1度地元を離れて東京やニューヨークといった外の世界から故郷を見ることで、その思いはより一層強くなりました。今日話に出た「食」は、間違いなく世界に誇れるものですし、観光資源にしても、本当に見どころが尽きません。最近ではワインやウイスキーの生産も盛んになり、新たなブランドとして確立されつつあります。掘り起こせば、まだまだ素晴らしいものが眠っているんです。
ただ、道内にいると、その本当の価値に中々気付けないのかもしれません。眠っている魅力をさらに掘り起こし、効果的に発信していくことで、北海道の価値はもっと高まっていくはずです。僕もその手助けが少しでもできたら嬉しいなと思っています。
〈北海道を盛り上げるために書いているnoteです。世界基準の国際都市として変化していくために、どんなことを考えていく必要があるのか一緒に考えていきましょう!(山田)〉