孤独の学食グルメ
2025年08月12日
【地球社会共生学部10周年記念作品サガキャンへ戻ろう】
「アジの味はどうだ?スーパーフライ級か?」
「ここはまるで俺の胃袋の実家だ。俺には帰るべき家がある」
「やはり相模原には渋谷にない味がある」
仕事にかこつけ、6年ぶりに母校に戻って来た卒業生が思い出の学食で舌鼓。あまりの美味しさに心の声とオヤジギャグが止まりません!
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腹が減っては何ひとつできぬ。食こそ最重要ミッションである――。某有名作品に体全身でインスパイアを受けた横型ショートドラマ「孤独の学食グルメ」を制作しました。「地球社会共生学部10周年記念」の冠付きです!本稿ではそれなりに時間を要した制作の歩みを、数々のメイキングカット、裏話と共に紹介します。
2025年5月30日9時。オープニングで登場する、淵野辺駅と相模原キャンパス周辺のカットから撮影です。あいにくの雨で、若干暗いのは残念ですが、これはこれで味わい深いと言えるかもしれません。地球社会共生学部の10年間を振り返ってみれば、思い出はいつの日も雨でした。雨は冷たいけど、たまには濡れていたいです。
主役が登場!前の仕事が押してしまい、東京駅から新横浜駅まで新幹線を使ったとか。でも事前準備は入念。スーツはあのキャラクターに寄せたそうですよ。形から入るのは大事!何だって入れるものはとりあえず入っておくのが地球流です。
相模原キャンパスから、在学中と同じルートで相模原キャンパスに向けて歩みを進めていきます。2023年12月8日にオープンしたマクドナルドには心底驚いていました。もっとも、表情は全て素であり、過剰な演技は決してありません。
「おお、マックができてるじゃないか!」
「このローカルな感じがまた良いんだよなあ」
「エスポットも懐かしいな」
これらのセリフは、彼が本当に心の中で発した言葉です。
ロケ地変わって相模原キャンパス内。まずは「それにしても腹が減った」の一言をきっかけに、ポン、ポン、ポン…インスパイア元でお馴染みのシーンを撮影しました。いかに忠実に再現するか。難しくもあり、非常に楽しくカットを重ねられました。
淵野辺駅付近から度々見切れていた名バイプレーヤーも超ナイスです!彼女のリアクションをよく聞くと…いや、よく聞かずとも初聞で分かるかもしれません。「ひゃっ!」の一言も別撮りで後付けです。声色を分けた4パターンを提供してくれたなか、珠玉の「ひゃっ!」を選びました。よりリアルな「ハァっ!」もあったのですが、コミカルさ、分かりやすさを追究しました。
いよいよメイン舞台、食堂!券売機前でのメニュー選びのシーンは、1分以上カメラを回したのですが、尺の都合で大幅にカット。編集でキュッと短くしました。そのため「これにするか」の箇所は、現場では「迷うなあ」と口にしており、この後もまだまだ迷い続けたのでした。
長考の末に下した決断は「特定食A」。その味は?表情が全てを物語っていますね。自然と笑みがこぼれるほどの圧倒的な美味さでした。
「イイ!これイインダス文明」
「大アリ!大アリクイだ」
そしてダジャレを連発!絶口調です。2019年に卒業して以来、6年ぶりの家庭の味に大満足の様子でした。
噛みしめるような足取り、心なしか大きく感じられる背中からも、母校凱旋の充実ぶりが窺えます。
「次はUTARだな」のUTARとは在学中に留学したマレーシアの大学のことです。つまり、次は海外出張編?続編に期待したいところです。ただ、第2弾が公開されるまでに「プラダを着た悪魔」は20年、「トップガン」は39年もの年月を要しています。地球社会共生学部50周年まで?気長に待ちましょう!
さて、撮影は終わったものの、この作品の肝である心の声を録らなければなりません。7月7日は七夕の夜、横浜駅近くの会議室で2時間みっちりと収録しました。「空調の音を入れたくない」という執念から、クーラーはオフ。文字通り灼熱のレコーディングになりました。手間暇をかけたエンドクレジットを含め、こだわりは尽きません。「心を燃やせ」ここに究まれり。