地球社会共生学部同窓会

GSC ALUMNI EVERYTHING SPECIAL

地球の過ごし方特別編【長崎座談会】

2024年09月12日

特定の地域に所縁のある方々を招いての座談会を開き、様々な視点から魅力を語ってもらう新企画をスタート!第1弾は長崎です。意見を交える中でこそ生まれる、正真正銘ガチでリアルな情報を「地球の過ごし方/長崎特別編」として、熱量たっぷりにお届けします。なんと1万字・写真100枚の地球史上最大ボリューム!これを見れば、長崎のほぼ全てが分かります。

【参加者】

野崎久美子

地球の1期生です。出身は諫早市ですが、大村市生まれです。学生時代は高校まで長崎にいました。青学を卒業後、長崎県庁に入庁して、現在6年目になります。長崎県庁は若手だと基本的に3年おき程度で異動があるのですが、長崎は五島・壱岐・対馬・新上五島町と離島がいっぱいある県で、一箇所目は五島に派遣されて、3年間経理の仕事をしていました。その後、本庁に戻ってきて、国際課に配属になりました。そこでの1年目は多文化共生で、県内に日本語教室を設置するための準備段階の仕事をしていました。今は班が変わり、国際交流担当として東南アジアを受け持ち、基本的には文化交流の仕事をしています。

齋藤大輔
地球社会共生学部の准教授の齋藤です。長崎市生まれで、長崎市の高校に通っていました。その後、福岡市内の大学に進学して大学院も福岡だったので、長崎に生まれて育ったとはいえ、知識などは古いものになっているのかなと思っています。今日はこういった機会の中で、新しい長崎や今の長崎を野崎さんから教えていただきたいです。長崎の将来を背負って立つ逸材であり、うちの学部から巣立って、Uターン就職で活躍する姿を見て嬉しく思っています。

――本日は長崎の魅力をたくさん教えてください!まずは好きなところからお願いします。

野崎
好きなところは色々あるんですけど、綺麗な理由としては(笑)…個性豊かな街で、昔から色んな文化が入ってきているので、色々ミックスされた形跡や文化が残っているところです。その結果、食べ物が美味しくて!食の豊かさはどこにも負けない気はしますね。

齋藤
僕は島があるから長崎が好きなのかなと。長崎市内で生まれましたが、母方の実家が五島なんです。大きくなってからはあまり行けていませんが、小さい頃は毎年行っていました。やっぱり海の綺麗さのレベルが違うんですよね。野崎さんは五島にいたから分かると思うけど、魚介の美味さのレベルが違います。アワビとかサザエなどは本当にシャレにならないぐらい美味しいです。母方の家が漁師だったので、その辺で獲れたものを食べさせてもらっていました。ちょっとノスタルジアみたいなものもあって、やっぱり島があるのは長崎の良さなのかなと思います。

長崎県の公務員は基本的に島に絶対行くんですよ。銀行員も行くと思います。行く前はちょっと嫌だなって思う人が多いみたいです。ただ、「やっぱり帰りたくない!」ってなる人がすごくいっぱいいます。

〈青い空、青い海。そう、ここは日本の西果て五島列島。最近では朝ドラのロケ地になってたり、移住先として人気が高いことでよくメディアで取り上げられています。それもそのはず、ここには人を癒す魅力がたくさん。青い空、青い海は小さな悩みなんて吹っ飛ばしてくれるくらい綺麗で壮大。海の幸や山の幸、そして何より島ならではの人の温かさ…。大学を卒業してから赴任先が五島だと人事課から伝えられた時は頭が真っ白になったけれど、いま思えば心底五島で良かった〜(野崎)〉

――具体的に島はどれぐらいあるのでしょうか?

齋藤
壱岐、対馬もあります。

野崎
二次離島で数えきれないぐらいありますね。

齋藤
長崎市内にも高島や伊王島があります。伊王島は繋がっちゃったけど、あれも島といえば島です。五島も上五島や下五島があって、上五島の上に小値賀とかがありますよね。その辺は僕も行ったことがないです。

――聞いているだけどワクワクします!やはり海の幸は別格ですね。

野崎
もう本当に美味しいです。刺身の概念が変わりますね。まず、ブリが美味しい。本当に美味しい。タイとか近海で獲れた魚、もう「さっき獲れたよ!」みたいな魚が居酒屋で安く食べられます。お酒もいっぱいあります。

――他に長崎ならではの特長はありますか?

齋藤
猫好きだったら…猫がめっちゃいますよ。むちゃくちゃ猫が長崎市内にいるんです。

〈中華街近くの青果店にいた猫。今日も定位置でお客さんをお出迎えしているのでしょうか〉

――そういえば、僕が旅行で長崎を訪れた際、青果店で猫が店番をしていました。

齋藤
そんなんがいっぱいいます。

野崎
長崎の猫は特徴があって、尾曲がり猫っていう。尻尾が曲がった猫がいっぱいいるんですよ。 そのルーツが実はインドネシアって説があって。昔、貿易の出入口だった長崎は東南アジアとも交易をしていて、ジャカルタから入ってきた船で、ネズミを獲るために猫を飼っていたっていう。その猫の尻尾が曲がっていて、ジャカルタと長崎には尾曲がり猫がいる説があります。

齋藤
本当にみんな尾っぽが曲がっているんですよ。だからそれって当たり前だと思っていたのが、全然当たり前じゃなかったのは、外に出て初めて気付いたことですね。

〈街を歩いていると、至る所で積み重ねてきた長崎の歴史に触れられます〉

――長崎は被爆地であり、出島があり貿易で栄えた街で、歴史を感じる建造物が数多くありますよね。

野崎
原爆の関係で言うと、長崎市内とかは1回更地というか、なくなったところから復興していった軌跡が分かるのはいいなと思います。被爆の歴史というと重いイメージになりがちですが、我々としてはあまり重い話ではなくて…被爆の実相をリアルに、現実的に触れてもらいたいなっていうのが1番にありますね。なのであまり気張らずに、平和公園や資料館に気軽に来て知ってもらうことが大事なのかなと思います。

齋藤
僕は長崎市内なので、小学校や中学校は平和学習があって、8月9日は絶対学校に行かなきゃいけなかったんですよ。

――土日でもですか?

齋藤
多分、9日は絶対に行きましたね。11時2分は黙祷する習慣が長崎の人間はかなりついていると思います。

小さい頃、たとえば友達のお母さんが被爆された方というのは、僕らからして全然普通の話だったんですよ。日常生活の中でそこまで心に留めることはないんですけど、一方で、やっぱり外に出て気付くことかもしれないですね。外に出てみると、8月9日って、意外とどこも意識していないし、別に何かあるわけでもなく…でも僕らの時は、友達のお母さんやその世代の方がまだ生きておられて、生の話や色んな話を聞きました。小さい頃、そういう話があんまり好きじゃなかったんですけどね。でも年を取ると、生きていた方もどんどん亡くなっているので、この先どうなっていくのかなと、心配や危惧は若干あります。

最近、長崎出身の福山雅治さんも被爆の話をちょいちょいするようになっていますね。福山さんの親も確か被爆された方です。被爆された方がものすごく当たり前にいらっしゃったんです。僕らの親世代が最後のその世代です。

〈長崎はモナコ、上海とともに世界3大夜景の1つに。絶景が見渡せる稲佐山は常に多くの観光客で賑わっています〉

――長崎の夜景は世界3大夜景の1つに数えられていますよね。代表的な鑑賞スポットの稲佐山は現地の人にとってどんな存在ですか?

野崎
1回行けばいいかな。

齋藤
1回行けばいいんだよ(笑)。長崎って平地が少ないので、必然的に山の上に住まなきゃいけないんですよ。僕が通っていた高校はめっちゃ山の上にあるんです。家もその近くだったから、例えば買い物に行って帰る時に毎日坂道を上っていくんです。だからあれは普通に毎日見られるから、別にって感じです。

――やはり世界3大は誇らしいものですか?

野崎
誇らしくはあります。モナコとかと比べられていいのかな感はあります(笑)。

〈長崎は坂だらけ。自転車好きにはあまり優しくありません。でも鍛えるにはうってつけ?〉

――今、坂の話が出ましたが、やっぱり生活しづらいですか?

齋藤
めちゃしづらいと思います。

――自転車に乗れないみたいな話を聞いたことがあります。

齋藤
僕、大学になるまで自転車に乗ったことがなかったです。長崎市内の高校は自転車通学が禁止で、そもそも乗らないんです。だから乗れない人が結構います。自転車に乗る訓練とかしないし、買ってもらっても坂が多くてきついから乗りたくないんですよ。だから年取った方が生活するのはすごく大変だと思うし、ゴミの収集の方とか、公務員の方は大変だと思います。諫早は平地なんですよね。

野崎
はい、平べったいですよ。大村、県央は。

〈県庁は非常に開けた空間で、勉強の場として利用する学生などが数多くいます。展望テラス、食堂からの眺望は抜群です〉

――観光地とは少し違うかもしれませんが、県庁もかなり魅力的ですよね。非常に開けていて、ふらっと訪れやすいなと感じました。

野崎
それは県庁のコンセプトです。「開かれた県庁でいよう」と。展望台は土日も空いていますし、フリースペースで高校生がよく勉強しています。職場も課ごとに部屋があるわけではなくて、オープンスペースというか、全部部屋がなく、ワンフロア化されていて、「垣根を超えて仕事しよう」みたいな。食堂も誰でも利用できます。

〈絶対寄りたい眼鏡橋。長崎が舞台のドラマ「君が心をくれたから」でも印象的なシーンで登場しました。有名な橋は長崎市ですが、諫早市にもあります(1枚上)〉

――他に伝えておきたいおすすめの場所、穴場スポットはありますか?

野崎
最近の女子向けの情報だと…長崎駅周辺が再開発されて、ヒルトン、マリオットが建ったんですよ。そこのヒルトンのアフタヌーンティーとか。社会人になってしばらく経って、ちょっとお財布にも余裕が出てきたなぐらいのお姉さん向けの情報としては、是非ヒルトンでお寿司を食べていっていただきたいなと思います。

齋藤
今度帰った時の楽しみにしています。

――街中は路面電車も走っていて、交通が発達している印象があります。新たに新幹線も通りましたよね。

野崎
毎日の仕事をする上で、東京と比べるとかなりイージーです。満員電車がない(笑)。ドアが閉まらない現象がまずないので、それはすごく良いなと思います。乗れなかったら全然次ので行ったり、職場に遅れたりする感覚が普通になっているので、無理して乗らないです。本数が少ないのは仕方ないです。増やしたところで乗る人がいないので。

齋藤
汽車通勤しているのね。

野崎
汽車です。

齋藤
電車ではなく、汽車なんです。電車は路面電車のこと。汽車と言ったら、いわゆるJR九州の長崎線のことを指します。

野崎
方言って感じです。

――他に特徴的な方言はありますか?

齋藤
長崎ローカルだったら、「わい、やぜかっさ」とか。「お前、めんどくさい」って意味です。「わい」がお前で、「やぜか」が「めんどくさい」「うざい」。

――それは日常的に使うんですか?

野崎
言います。嫌なメールが来たら「やぜかなー」とか言う人はいっぱいいます。私は職場では言わないように気を付けていますけど、年3回ぐらいは言うかもしれない(笑)。結構、時と言葉と相手を選ぶ方言です。

齋藤
これを会社の中で上司とかに言ったらマジでキレられます。

〈個性豊かな島、五島。へトマトという祭ではふんどしいっちょの男(イケメン)たちが抱えてる草履に独身女性を乗せていきます。他にもここには書けないようなお祭りも(野崎)〉

野崎
長崎の中でも地方ごとで方言がいっぱいあるんですけど、五島に行った時に方言すごいなって思ったのは、「みじょかねー」とか言うんです。「可愛らしいね」っていう意味らしくて、「みじょか、みじょか」とかは結構おばちゃんたちが言っていますね。

齋藤
五島の言葉はまじで分からないです。僕は、ばあさんが五島で、長崎県内なのに異国の言葉並みに分からないです。

〈たまたま「くんち」の練習現場に遭遇!本番さながらの気合の入った姿に多くの見物客が釘付けになっていました〉

――長崎では「くんち」が有名ですよね。こういった伝統的なお祭はどういった存在ですか?

齋藤
くんちは中心部の人たちが街ごとに、例えば龍踊りとか催し物を出すんですよ。僕は郊外に住んでいたから祭自体にはあまり関わらなかったです。小さい頃のくんちの思い出だと、祭の催し物よりも露店。めっちゃ出るんですよ。僕的にはそれがくんちのイメージです。古い街並みが残っている浜町や新地の中華街とか、あの辺が中心になっているんですよね。

野崎
くんちって長崎の歴史を反映しているお祭だと思うんですよね。オランダ船、唐人船、御朱印船って、それぞれオランダ、中国、ベトナムの歴史を反映させたパフォーマンスをするような演目になっているので、「長崎と言えば、くんちだろう」くらいの感じ。私も諫早だからテレビでしか見たことがないんですけど、地元の人にとってはもうガチの「俺たちの祭だ」感はあると思います。すごく地域に根付いたお祭りですね。

〈異国情緒溢れる長崎。ロマンをあちこちで感じられます〉

齋藤
「くんちバカ」って言葉があるんですよ。くんちをやる人はもう数ヶ月前からくんちのことしか考えないっていう。

――幸せなことのように思いますが…。

野崎
いや、大変だと思いますよ。走り込みとか。ガチなんですよ。

齋藤
めっちゃ大変。なんか最近、ランタンの方が段々メジャーになってきているような気がするんですよね。

野崎
ですよね。くんちより、オープンな感じはします。

齋藤
ランタンって僕が小さい頃はなかったんです。

長崎市内に中国の寺がいっぱいあるんですよ。旧正月になったら爆竹をバンバン鳴らして、豚の頭を叩くのは知っていたんですけど、それを県や市が主導してイベント化した結果、かなり成功した例なんですよね。一説では、1月、2月は観光的にオフシーズンなので、新しい催し物をするために、旧正月の物を色んな形でテコ入れしてイベント化していったと。今はそっちの方が人が集まっているような気がします。この前も、福山さんと仲里依紗さんが皇帝パレードをやっていましたね。そっちの方が集客というか、くんちよりもメジャーになってきている感はあります。

野崎
ランタン祭、ランフェスは長崎市内が真っ赤、真っ黄色になるお祭です。どこを歩いていても「うわ、中国」みたいな感じで、観光客の皆さん的にはすごく楽しくて、「異世界に来たな」「外国みたい」な感覚を覚えられるような時期だと思います。開催期間がすごく長くて、2週間3週間くらいあるので、その期間に適当に来て適当に帰るみたいな。「この日に行かなきゃ!」っていうのがないから、結構ハードルは下がっていいのかなと思います。

〈長崎の中華街は横浜、神戸と比べて小規模ですが、最も長い歴史を誇ります〉

――外国を感じられる話で言うと、グラバー園や出島はすごく良いなと思ったんですけど、中華街はちょっとがっかりしました(笑)。

野崎
1番短いって言われてますもん。

齋藤
めちゃめちゃ小さいよ。でも中学校の同級生とかは普通にあの辺の子がいたよ。

野崎
同化しすぎて分からなくなっているんですよね。

――スポーツではサッカーチームのV・ファーレン長崎や、バスケチームの長崎ヴェルカがありますね。

野崎
住んでいる身からすると、V・ファーレンやヴェルカ長崎が出てきたら「あっ!ジャパネット」って思います。

齋藤
ジャパネットがここまで良くしてくれるとは思わなかったですね。あの企業がここまでやってくれるとは…。長崎市や長崎県は「ジャパネット様様」と思っているんじゃないですかね。

――「ジャパネットたかた」は長崎の人々にとって特別な存在ですか?

齋藤
元々、佐世保のカメラ屋なんですよ。小さい頃からテレビショッピングをやっていたんですけど、ここまで大きくなって、ここまで良い企業になるとは思わなかったです。今度、全部還元してスタジアムを作るし。だから、すごいな、社会的責任を果たしている企業だなって。すごく良いイメージを持っていますね。

野球とサッカーで言ったら、サッカーかな。森保一監督は野崎さんと同じ高校だもんね。

野崎
はい、日大です。

齋藤
前の日本代表キャプテンの吉田麻也選手も長崎出身だし。古い世代のサッカーのイメージ。高木琢也や三浦淳寛とか今監督になっている人たち。大久保嘉人も。国見高校が強かったんですよ。

――プロ野球チームを応援するとすれば、ソフトバンクスホークス。そんなことはないですか?

齋藤
僕は福岡にずっといたから、ソフトバンクファンではあるんですけど、長崎の人はあんまり…どこでもいいと思います。

野崎
どこでもーーっていう感じ。

〈2024年10月にオープンする長崎スタジアムシティ。こけらおとしで地元のスター福山雅治さんがフリーライブを開催します〉

――せっかくなのでジャパネットが大きく関わっている新スタジアムの話も聞きたいです。

野崎
駅チカでアクセスが良いスタジアムです。長崎駅周辺に色んな行政の施設、良いホテル、外資系のホテルがぎゅっと集まってくる中で、もう少しで建設が終わります。大きいキラキラしたスタジアムができるんだなってイメージです。

アリーナとサッカーのスタジアムが併設されていて、商業ビルの中にテナントも入れたり、ホテルも中にあって。ホテルの部屋からサッカーの試合が見られたり、宿泊者限定の観覧エリアで飲みながらサッカーを見られるとか、色々できるようになるらしくて、いつか行きたいなと思っています。

――この勢いでV・ファーレンはJ2からJ1に上がらないといけませんね。

野崎
そこが大事なのかもしれませんね(笑)。

〈V・ファーレン長崎の本拠地、トランスコスモススタジアム長崎。諫早駅から徒歩で20分以上かかるのがネックです。新スタジアムの開業でアクセスが格段に向上します〉

【マイ・ベスト・フォト・オブ長崎】

――ここからは、長崎で撮ったお気に入りの写真を紹介してもらいます。

野崎
長崎駅の1番西側から見たらこういう写真が撮れます。JRで長崎に来たところの最終地点です。よく見たら切れ端みたいのが2つあって、その先がホームになっているんですよ。長崎らしくて、日本の端っこの駅らしいなって。あんまりメジャーじゃないところが良いなと思ってこの写真にしました。

齋藤
これ僕の実家です。実家から見た景色です。奥にうっすらと見えるのが伊王島なんですよ。目の前が海でサンセットがよく見える感じになっていて、実家の景色は良いなと思います。長崎は海、海、海。逆に言えばもう海しかないですから。

僕が1番好きで、1番帰ったら食べたいのがトルコライスなんです。もうカロリーの塊。スパゲッティとピラフとかカツが全部乗っかってる、40代後半、50代の人は食べちゃいけないような食べ物なんですよね。でもなんかね、帰ったら食べたくなる。

これ一応、なんでトルコかって言ったら、色んな説があるんですけども、スパゲッティがイタリアでカレーピラフがインドで、色んなものが混ざってその中間だからトルコと付いた説があるんです。

「長崎で何を食べたらいいですか?」って聞かれたら、「トルコライス」って答えます。「ちゃんぽんはリンガーハットで食べられるから。トルコライスを食べなさい」って言います。ちなみにこれは浜町にある「ボルドー」です。めちゃ有名。


これはザ・長崎ですよね。長崎駅前なんですよ。もういきなりこんな感じなんですよ。階段、坂、そして上の方が多分ホテルなんですよね。ずっとここまで家があるという、ザ・長崎的な写真です。もう坂しかないです。平地ないです。

【ライバルは〇〇県】

――ずばり意識している県はありますか?

野崎
ライバルと言うと角が立つので、一旦の回答は「なし」。なんですけど、憧れというか元気さみたいなところで言ったらやっぱり、首都圏はいいなって思いますね。東京、大阪、福岡とか。長崎は住んでいると分かる、先細り感みたいなところがあるので。道を歩いていても、おじいちゃん、おばあちゃんしかいないんですよ。

齋藤
長崎に帰ってびっくりするのって、空港から街の中心までバスで行って降りるんですけど、20時ぐらいに着いた時、「人いねえ!」って思っちゃうことです。町田や登戸とかの方が人多いんですもん。思案橋って飲み屋街の繁華街があるんですけど、「人歩いてねえ」って思っちゃいます。大丈夫かなっていうのは、思いますね。

〈長崎空港から長崎駅までは、乗るバスにもよりますが45分ほど。空港を出るとすぐに海が見えます〉

――興味深いなと思ったのは、首都圏というと僕は勝手に東京などをイメージしていたんですけど、福岡が出てくるあたりはちょっと福岡を意識しているのかなと。どうですか、「同じ九州で負けられないぞ」みたいな気持ちはありますか。

齋藤
負けられないというか、福岡には憧れですね。長崎人は憧れを持っています。1番最寄りの都会で、例えば海外に行く時も福岡空港まで行くのが多分1番早いんですよね。色んなものがあって、福岡が最寄りの大都会なのかな。

野崎
おっしゃる通りです。戦おうと思わない(笑)。

齋藤
対等的な関係じゃないの。何をやってもちょっと憧れになっちゃう。

――齋藤先生にとってのライバル県はどこですか?

齋藤
僕は今、長崎県のライバルは佐賀県だと思っています。佐賀の人には本当に申し訳ないんだけど…長崎は一応観光地だし、知られているイメージがあるけど、「佐賀ってまじで何もない」って意識だったんですよ。

おそらく、長崎の観光地というプライドやアイデンティみたいなものからすれば、佐賀はちょっと見下してる部分があったんです。ただ、佐賀県、色々頑張ってるんですよね。知名度向上やインバウンド、東南アジアからの集客とかで。だから長崎のライバル、佐賀と切磋琢磨で成長していけばいいのかなと思っています。

〈ふとした瞬間に福山雅治さん(の写真)と視線がぶつかります。幸せのときめき覚えています〉

【県民スター栄誉賞】

――長崎で1番のスターを決めてもらいます。一択なような気もしますが…

齋藤
もうそれは福山さんしかいないでしょうね。

野崎
ベタベタですけど、福山さんだと思います。

齋藤
あと森保監督?

野崎
あと仲里依紗さんとかですかね。

齋藤
ジャパネットたかたの高田社長、古い世代だと、さだまさしさんとかもね。川口春奈さんは五島の星だね。

〈(C)西日本新聞〉

――長崎の方にとって、福山雅治さんはどういう存在ですか。

野崎
神ですね。なんかもう神格化されているような扱いを受けています。

齋藤
僕の母親が福山雅治の母親と以前同僚だったんですよ。福山雅治がテレビに出だした頃、ドラマを見てて、「友達の子供が出とるけん見る」とか言ってて。「誰の子供?」って聞いたら、「福山のおばちゃんの子供」って。僕も、小さい頃に何回か会ったことあるんです。だから福山雅治はやっぱり、なにかずっと追ってしまう人です。そして、高校卒業後、福山雅治は1回就職するんですよね。就職してやめて、夜行列車に乗って東京に出てって話があるんですけども、その時勤めていたのが僕のおじさんが勤めている会社なんです。

神みたいになっちゃったから、もう長崎を背負って立つとか、長崎の市長か県知事になりゃいいのになってレベルですよね。

野崎
もし福山さんが知事になったら、私、絶対秘書課に行かせてください(笑)。

――長崎あるあるをもう少し。他県ではあまり見ない長崎の日常はありますか?

野崎
シスターがよく歩いています。電車に乗っていたり、ランチしていたりして、可愛いなって。

齋藤
確かに、確かに。シスターが普通にバス乗ってるもんね。シスターの格好をして、普通に歩いているんですよ。

野崎
違和感なく。

齋藤
あとは、結構クジラ屋さんがあるから、僕はクジラが好きです。スーパーに売っています。

野崎
たまにイルカもありますよ。

――え!イルカって食べるんですか。

野崎
かかっちゃったら。基本食べないけど、網にかかっちゃったら食べるらしいです(笑)。

〈出島付近で名物の五島うどんを注文。すると出されたのは、想像していたよりも遥かにシンプルなトッピングのものでした〉

齋藤
クジラは結構食べるみたい。島の方とか昔、クジラですき焼きしていたらしいですよ。あと五島には、五島うどんがあるんですよ。それはいつも出されていたので、僕は今でも五島うどんが大好きです。そして長崎人が好きな魚、アラカブ。めちゃくちゃ美味い。野崎さん、アラカブは美味しいよね。

野崎
はい、そこら辺で獲れますよ。

齋藤
岸壁でぼちょんって岩場に入れたら釣れるんですよ。でっかいのは刺身で、ちっちゃいやつは味噌汁にしたらめちゃくちゃ美味いです。東京で言うとこのカサゴです。

――素敵なお話をたくさんありがとうございました。最後に、今後の長崎に向けて熱いメッセージをお願いします!

齋藤
福岡になろうと思っても無理なんです。長崎は遠くて地理的な条件も悪い。でも「今のままでいいんじゃない?」って思います。住んでない人間が言うのはおこがましいですけど、僕は正直、「新幹線いらないんじゃない?」って思っていたりします。むしろ遠くてもわざわざ旅行に行く価値があるような場所になってほしいです。

色んなものができて便利だと思うんですけど、変わらずにいてほしいし、残っていてほしい。必ずしも、色んなものができてってだけじゃなくて、違った形の発展とか、そういうものがあればいいなと。良い意味で自然があって、魚が美味しいとか、文化的な特色がそのまま残って、サステナブルに持続していくような街になってくれればいいのかなと思っています。

野崎
若い人にいっぱい帰ってきてもらいたいです。人口が減っていく中で 1番そう思います。五島や離島は特に高齢化が進んでいるんですけど、その土地の良いものは残して、新しい世代のために新しいものは取り入れつつ、良いとこ取りをしながら、良いところを組み合わせながら、若い人に帰ってきてもらえるような場所を作っていきたいです。友達がいっぱい帰ってきてほしいなと思いながらずっと仕事をしたりもしているので、もうちょっとキラキラした街を作っていけたらいいなと思っています。

〈「長崎っぽいポーズを!」とリクエストしたところ、試行錯誤の末に辿り着いたのが、この“Nポーズ”です〉