「森静朗ゼミと雑感」 1947年経済学部卒 1回生 村田 永男
2024年11月09日
昭和47年、一人の若者が渋谷駅に降りて、青山学院の門をくぐった。父の弟がOBだったので有頂天になっていた。しかし、埼玉の田舎町から出てきた私は誰も知り合いがおらず、オリエンテーリングで隣り合った瀬川健君と四年間を過ごすことになった。その後、日本大学商学部から講師で来られた森静朗先生が、新しいゼミ(中小企業金融論)を創設されるというので、五名の仲間と入ゼミした。先生は、下町の江戸川、葛西に住んでおられ、落語やお芝居が好きとのことで親近感を持った。印象的なのが、夏休みの修学ゼミで静岡県西伊豆町雲見のひなびた宿での合宿だった。今でも目にしっかり焼き付いている。そして、三年生、四年生の時、学生運動が日本全国に広がって、本学構内は入口にバリケードが敷かれ、学内に入ることができなり、紙によるレポート提出で卒業となってしまった。その二年間、順調に勉学に謹んでいたら、また違った人生があったろうにと、嘆き悲しむ自分が居た。森ゼミが存在したおかげで、四年間が過ごせたことは、貴重であった。